面粗度(表面粗さ)とは

面粗度。「めんそど」と読みます。メンソド。
この会社に入社してなかったら発することがなかったであろう単語の一つ。

面粗度とは

面粗度っていうのは、加工したワークの表面の状態を表すもので、「表面粗さ」のこと。
英語ではsurface-roughness。まさにsurface(表面)のroughness(粗さ)。そのまま。
かあちゃんも「面粗度」って言われるより「表面粗さ」の方がイメージしやすいなぁ。

そんな面粗度(表面粗さ)は、大きいほどザラザラで、光を反射しにくく、くすんだ感じ。
逆に小さいとツルツルしてて、鏡みたい。
表面粗さの差って、加工面を見たら見た目では全然違ってるけど、
実際は1000分の1ミリ程度のものすごーいちっちゃい「表面のキズ」のことみたい。

どんなにちっちゃいキズでも、集まれば見た目の光沢はもちろん、摩擦の大きさや密着性にも影響してしまう。
表面の粗さは製品の品質ってところでかなり重要やねんね。

そんな表面粗さを表すものにRaとRzというものがあります。

Raとは

Raっていうのは凸の高さと凹の深さの平均値を表してるねんて。Rough averageでRa。
アベレージ(平均)のaやね。
中心線から上の面積(凸の部分の面積)と下の面積(凹の面積)を全部足した面積(凸凹の総面積)を
基準の長さで割って、凸凹状態を平均したもの。

イメージしやすいように、凹の部分をパタンと折って、全部凸にして、その面積の平均を出す。
図にするとこんな感じ。

この凹凸の面積の平均値がRaね。

Raの数値が小さければ小さいほど表面はなめらか。
平均値なので、突発的に発生した大きいキズの影響は小さい。

Rzとは

それに対して、Rzっていうのは、基準の長さの中で、凹凸の一番高い部分と一番深い部分を足した値。
一番高い部分をRp、一番深い部分をRvといい、それらの合計値がRz。
図で表すとこんな感じ。

Rz自体は想像しやすいんやけど、
このあたりのpやらvやら、zが英語の何の単語の頭文字なんか、調べても出てけーへんくって。
なので、ここからは想像です。

Rp : rough peak(ピーク)かなぁ。頂点の意味あるし。
Rv : rough valley 谷のvalleyじゃない?
Rz:z… Z?

ちょっと分からんぞ…Zから始まる単語で当てはめてみよ。

Rough zoo (動物園) 粗い動物園。怖いな。これじゃないな。
Rough zip(ジップ)粗いジップ。かみ合わせ悪そうやな。これでもないな。
Rough zone (ゾーン) 粗い区域。お!これっぽくない?
Rough zigzag(ジグザグ)粗いジグザグ。おぉ!これも可能性ありかも?
Rough zucchini(ズッキーニ)粗いズッキーニ。絶対違うわ。

どなたかご存じの方、ご一報ください。

ChatGPTがご存じでした。
『Rzの「z」は、ドイツ語の「Zwischen」を起源としていると言われます。
Zwischenは「間」という意味を持つので、最も高いピークと最も低い谷との間の高さを意味していることから
この名前がつけられたと考えられます。』

まさかのドイツ語!さすがChatGPT!

現実に戻ります。
Rzは一つでもの突出したキズがあると、それが表面粗さの数値になってしまって、納品NGに…
Raに比べてものすごい厳しい要求になります(泣)

表面粗さの記号

Raの記号はJIS規格で決められています。昔は逆三角が何個かつながってる記号だったんだけど、
今は変わってるみたいです。
記号例がこちら。

要求された面粗度の穴をあけるための工具を提案するのがソリッドツールの仕事の一つ。

面粗度の数値が小さい精密仕上げの穴をあけるためにはどうしても工程を増やす必要があります。
例えば、Ra3.2なら仕上げ工具1本で達成するけど、
Ra1.6になったら粗用工具のあとに仕上げ工具を使わなあかん。
さらに、Ra0.8やったら、粗用、中仕上げ用、仕上げ用の3工程でやっと達成!って感じ。
さらにRzともなると「粗用、中仕上げ、仕上げ」の後にダイヤモンドで研磨するってことも。

工具が増えて、工程も増えるから、加工コストが上がってしまう… 
でも、精密な機械(油圧関係)には、そのくらいピカピカの表面が必要。

なので!ソリッドツールでは、面粗度は達成しつつも、工程を減らし、
コストを削減できる工具を日々研究しています!
これからも頑張るよ!
かあちゃん応援するよ!

面粗度についてソリッドツールでも動画を配信中!ぜひご覧ください!