「ドリルの振れ」とは

出荷前の工具は、検査員さんにくまなく検査してもらって、オールオッケーなものだけ晴れてお客様の元へ届けられます。


検査項目には、外径や先端角などの寸法はもちろん、「振れ」や「リップハイト」ってのもあって。

「振れ」?何となくふらふら揺れてる感じ?
「リップハイト」? 唇の高さ?口角?

よくわからんからまずは「振れ」から調べてみます。

ドリルの振れとは

『超硬工具用語集』によると…
シャンク部を基準として回転したときの外周コーナー付近のマージンの振り回し量って。

???
・・・工具ド素人かあちゃんにはハードルが高いわ。

ちょっとずつ解読してみます。

「シャンク部を基準として回転したとき」うん、ここまでは分かる。
こういうことやろ?

あ、シャンクっていうのはドリルの柄の部分ね。

「外周コーナー付近の」ってこのへん?

マージンの振り回し量

…ここが難解や。

マージンは分かんねん。前にチラっと勉強したから。「穴がまがらんように案内役をする部分」やんね。
(振り返りはこちら ドリル各部の名前(その2)正面編 マージン

“振り回し量”・・・
ふらふらした量、みたいな?
絵で描くと、こんなん?

 

 

正面から見るとこういうことで

 

横から見るとこういうこと?

 

検査員さんによると、ドリルのこの辺を、
Vブロックとダイヤルゲージを使って測るんやって。

振れ測定方法

①シャンクをⅤブロックで固定
②工具の肩からちょっと下くらいところにダイヤルゲージを当てて、
③工具をくるくる回してみる
④ダイヤルゲージの目盛りの「最大値-最小値」を確認 (これが振れの数値)

ちなみに、工具のこの部分を一般的に「肩」と呼ぶそうです

2枚刃やったら2ヶ所、4枚刃やったら4か所当たるから、その最大値と最小値の差が規格内であれば
「振れなし、オッケー、イエーイ」ってなるんやって。

ドリルって、細く、長くなるほど振れが発生しやすくなるみたいで。
ドリルが振れてると穴の寸法にバラツキが出たり、ドリルそのものが折れちゃったり… えらいこっちゃ。

振れのない工具を納めることが本当に大事なんやね。

振れはだいたい分かったわ。
次は「リップハイト」を解明するで。

ではまた今度!

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