構成刃先とは

構成刃先って何?

「こうせいはさき」って聞いたことある?
構成刃先。四字熟語ではございません。

構成刃先って言うのは、削ってる最中に刃先の先端に切り粉がくっついて、固まっちゃって、刃先の一部みたいになっちゃうこと。

「わたし、新しくできた刃先ですねん」と言わんばかりにワークを削ってしまうらしい。厄介やで、ほんま。

この構成刃先ができた刃で切削を続けるとどうなる??

さらに切り粉がくっついて構成刃先はどんどん成長。ほんで「削んのはわたしに任しとき」言うて、
ほんまにワークを削ってしまうねん。

でもある程度大きくなると、切削力に耐え切れずガリっと脱落。

「いやーん、剥がれてしもたでー…」 って、切れ刃ちゃうのに削るからやん。

 

脱落後も切削を続けると、また切り粉がくっついて、また構成刃先が出来る。

1 大きくなる。
「わたし、新しい刃先ですねん」
     
  2 「削んのはわたしに任しとき」    
   

3 脱落する。
「また剥がれてしもたでー」

 
      4 で、また再生する。

再生する、成長する、でもやっぱり脱落する… エンドレスです。

構成刃先によるトラブル

構成刃先の厄介な点は3つあって。

まずは何を言っても仕上げ面の質の低下。
構成刃先は本物の刃じゃないから切れ味はかなり悪い。ワークをむしり取ってる感じ。
仕上面が粗くなってしまう…

次に寸法精度の低下。
構成刃先って、加工中に「発生→成長→脱落」を繰り返すから形状が常に不安定。
本来の刃に乗っかるかたちでくっつくから刃先も少し長くなって、削り過ぎちゃうことも。。

安定とは真逆で、正確な寸法なんてとても出せない状態です。。。

さらに刃先のカケ。
構成刃先は、刃と切り粉が化学反応をおこして結びついてるから、脱落するときキレイにポロっと剥がれるわけじゃなくって、ギザギザにむしり取られる感じ。

その時に本来の刃をみちづれに剥がれるらしく、刃先が欠けちゃうことも。
そのカケが工具破損を引き起こしたりするらしい。

ほんま困るわぁ。

構成刃先の発生原因と対策

そもそも、構成刃先ってなんでできてしまうんやろ…

調べたら、いくつか原因があって。

・伸びやすい材料(軟鋼やアルミニウムなど)の切削は熱で加工硬化しやすいから。
・工具とワーク材質の親和性(くっつこうとする性質)が高いから。
・切削点の温度が低いから。

なんやって。

んじゃ対策は?

・切削油を使う
切削油っていうのは切削加工時に使用される「潤滑油」のことで、工具とワークの間に入り込んで摩擦を減らしたり、切り粉を流し落としたりする役割を担ってます。
切削油で潤滑性をアップして、切り粉の排出性を高める!つまり、切り粉が刃先にくっつく前に切削油で流し落としちゃえ!ってな感じです。
ただ、切削油は冷却効果が高いので、切削温度が下がって構成刃先の発生に繋がる可能性もあり。要注意!

・親和性を下げる
化学反応が起こりにくい材種にしたり、コーティングをほどこしたりして、切り粉が刃にくっつこうとするのを防ぐ!
でも、材種によっては硬度が高くてチッピング(小さいカケ)を起こしやすいのでこれまた要注意!

・切削温度を上げる
回転数を上げたり切削速度を上げたりして、刃先の温度を高く保つ!あえてアツアツにすることで、切り粉がもう一回固まろうとする温度(再結晶温度)より高くなって、構成刃先にならない。なれない。
けど、切削速度が上がるにつれ工具の寿命が短くなるので、またしても要注意!

結局、やっぱり何事も一長一短で、バランスが必要なんやね。

構成刃先についてソリッドツールの動画でもっと詳しく説明してます!ぜひご覧ください~

ここからはホンマに「余談」なんやけど。。。

「こうせい」っていっぱい漢字あるなぁって思ってて。
構成刃先の「構成」も、後世に名を残すの「後世」も、公正な社会の「公正」も、ぜーんぶ「こうせい」

「こうせい」始まる言葉って何個くらいあるんやろって調べたら… 109個やって!(goo辞書情報)
さらに、地名(たとえば中国の自治区など)を入れたら123個って。

そんなにあるんや!びっくり!

そんな数ある「こうせい」の中から、かあちゃんイチオシの「こうせい」(2字熟語)を2つご紹介!

好晴
イチオシの理由: ピクニック日和っぽいから。
正しい意味は「気持ちよく晴れ渡ること」

 

功成
イチオシの理由: なんかうまいこといきそうやから。
正しい意味は「努力を積み上げ成功し、有名な人物になること」やって。

明るくて前向きな言葉って、なんか元気になれるよね!
積極的に使っていこうと思います!