「ロウ付仕様」からの「先ムク」

今回は「ロウ付仕様」について。

超硬は刃の部分にしか使わへんで。重いし、高いし。っていうのが「ロウ付仕様」です。
(やや語弊あり)

その「ロウ付け」って何なん?

簡単に言うと、”銀ロウ”っていう「ロウ材」を溶かして、冷やし固めて2つのものをくっつけること。
くっつけたい二つのものより低い温度で溶けるロウ材を使うから、
母材(くっつけたいもの)を傷めずに接合することができるんやって。
同じ金属はもちろん、「超硬」と「鉄」みたいに違う金属でもくっつけられるから、
工業製品の製造で大活躍なんやって。すごいな、ロウ付け!

そんなロウ付け仕様には「先ムク」タイプと「板チップ」タイプがあります。

先ムクのムクは無垢。つまり先だけムク(超硬)ってこと。こんな感じ。

つなぎ目の部分が英語のVの形に似てるので「Vロウ付け」と呼んでいます。
このVの角度、90°の直角Vと、120°の鈍角Vがあります。
うちの会社ではこの2種類の角度しか見ぃひんからそれしかないと思ってたけど、
世の中には110°Vもあるねんて。ほぇ~。

…そういや、この角度の違いは何やろ?
ちょっと聞いてくるわ。

 

聞いてきたで。
90°Vと120°V、それぞれにメリットがあった。
まず90°V。
90°Vは接地面積が広いのでしっかりくっつく → 強度が上がる

ほんで120°V。
120°Vは凹みが浅いので、超硬部分が少なくなる → 軽くなる → 機械への負担が減る

うちの会社のロウ付け担当さんに聞いたら、
「うちは90°Ⅴが主流かな、でも大きい工具は120°Vもあるね~」ってなことでした。

営業さんが工具を設計する時に、径の大きさや用途を考えてVの角度を決めてるんやって。
これも「最適な工具を選ぶ」ポイントの一つやね!

ポイントを一つ学んだところで、今回はこれにて。ドロン。