Tスロットカッターとは

この前「Tスロットカッター」っていう工具を納品してん。
Tスロットカッター、「絶対Tの形してるで」って思ってたら、やっぱり「T」の形してる工具やったわ。

こんなん。   

Tゆーても、だいぶ足(?)の長いTやけど。

で、スロット【slot】は「溝」って意味らしい。

これ、どんな時に使うん?

ちょっと調べてみたで。『 』はかあちゃんの心の声です。

TスロットカッターはT型の溝を加工するための工具。 『ふむふむ』

先端はシャンクより太い。 『T字やもんね』

端面には刃がないから、穴をあけることはできません。 『なんとっ』

ただ、外周に刃があるので、 『ほぅ』

エンドミルのように横に走らせて 『例の横走りやな』

逆T字に削ったり、 『あ、逆さで使うからか逆Tか~』

穴の一部を横に広げる加工に使われます。 『?うぬぬ?一部を横に広げるとは?』

 

この謎は一旦置いといて、T溝加工の流れを見てみましょう~

T溝加工の流れ

エンドミルで溝加工して

その溝にそって、Tスロットカッターで仕上げる。逆Tの溝か完成~

T溝は何のため?

で、このT溝は一体何のため??

調べたところ、「ワークをしっかり固定するため」とな。
T字の溝に、Tスロット用のナットを入れて、ボルトで締めこむ!そうすると上からも下からも力が加わって、ワークを固定する力がアップするねんて。

こんな感じ。   

ということは、TスロットナットにジャストフィットのT溝をあけなアカンね。
だから、ボルトやナットに規格があるみたいに、Tスロットにも規格があるんやね。

穴を横に広げる加工

で、謎の「一部分だけ穴を横に広げる」っていう加工はこんな感じ!

一部横に広がったで!けど、これって何のために広げたん?

営業さんに聞いてみたら、この部分を「ヌスミ」って呼ぶらしく、
油圧関係やと油の圧力を逃がすためにあんねんて。

再研磨も可能

そんなTスロットカッターは再研磨もできるみたい。
一番摩耗するのは何と言ってもやっぱり外周刃。一番働いてる場所やもんねぇ。
再研磨して、切れ味を復活させる!エコやね。

千鳥刃について

Tスロットカッターには「千鳥刃」という形の刃もあんねん。
こんなん。
「千鳥」って建設用語やと『タテとヨコをそろえず、上下左右、交互にずらして配置すること』って意味らしい。

千鳥刃Tスロットカッターだと、左右交互にネジレ角があるから、切削抵抗が少なくなって切削性がアップするねんて~

ちなみに、千鳥刃の「千鳥」は、「チドリ」という鳥の歩き方から名付けられたみたいやで。
一般的な鳥の足には、後ろに支える指があるけど、チドリには前指が3本あるだけで後ろ指がないねんて。

後ろを支えられないので後ろに倒れそうになる。なので、片っぽの足が前に出た時は、もう一つの足で後ろを支えるっていう歩き方をするみたい。
からだを支えるように、足を交差して内またでうねうね歩くのが特徴。
「左右の足を公差」→ 「左右(上下)互い違い」で建設用語の『千鳥』へ。

酔っ払いのおぼつかない歩き方にたとえられてしまう「千鳥足」やけど、チドリにしてみたら別にふらついてるわけじゃなく、この歩き方でものすごく安定してるねんて。

以上、チドリのプチ情報でした!

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