ドリルのねじれ。右ネジレ、左ネジレとは。

娘に右回りってどっち?って聞かれました。なんでも、トランプを「右回り」ですることになったけど、順番が分からんかったみたいで。
かあちゃん、すぐに分かるいい方法知ってんねん。昔誰かに教えてもらってん。

両手、それぞれでグーを作ってみて。

右手で作ったグーの、人差し指の先から親指に進む方向が「右回り」で、
左手で作ったグーの、人差し指の先から親指に進む方向が「左回り」やねんで。

娘、笑顔で納得。「友達にも教えてあげよ~」って。

右回り・左回り

右回りで一番有名どころは「時計」やね。
「右回り」を「時計回り」、「左回り」を「反時計回り」って言うくらいやもん。

他にも右回り、調べてみました。
回転ずし。右利きの人が取りやすいように、やって。ほほぅ。
鉛筆削り。これも右利きの人にとって削りやすい方向らしい。

逆に、左回りはどんなんがあるんやろ。
トラック競技。  ほんまや。
メリーゴーランド。  言われてみればそうかも。
コンクリートミキサー車。  へー、そうなんや。

普段、どっち回りか気にしてないからめっちゃ面白い!

そういえば、工具って回転して削るよね。
これってどっち回りで回転してるんやろ?
ねじねじも右ネジレと左ネジレがあるみたいやし。

右と左、どんな違いがあるんやろ?
ちょっと調べてみます~

ツイストドリルとストレートドリル

ドリルにはねじれているツイストドリルと、真っすぐのストレートドリルがあります。
ぐりぐり掘っていく「穴あけ」に特化したツイストドリルと、穴をあけつつ削った面をこすってなめらかにしていくストレート形状のバニシングドリル。
ストレートドリルの詳しい説明はまた後日にして、
今回はねじねじのツイストドリルについて勉強したいと思います。

ネジレは何のため?

ねじねじのドリル。ツイストドリル。ザ・ドリルって感じでかわいいですよね。ねじねじしてるところに光が反射してキラキラしてて。ずっと見てられますよね。ね? そもそもツイストドリルってなんでネジレてるん?

調べてみたら、このねじねじ、穴をあける加工にはめっちゃ重要な部分であることが判明!
ツイストドリルのねじねじを作ってる部分は「溝」って言いまして。
穴をあける時に絶対に出ちゃう切りくずをらせん状に上げていくためのスペースになってます。
先端の刃でサクッと削られた切りくずは、どんどん上がっていって、最後は溝の終わりの部分、ドリルの根本から出ていきます。

前に「きゃっほーい」って絵を描いたけど、あれは、下から穴をあけた時の絵やね。

 

DIYで天井に穴あける、みたいな。 本来は、滑り台を滑ってる感じじゃなく、駆け上がるイメージ。

右ネジレと左ネジレの違い

で、「右ネジレ」「左ネジレ」は、この溝がどっち向きか?ってこと。
工具業界では「右ネジレ」がスタンダードみたい。その理由は、ドリルを取り付ける工作機械がほとんど全部、右回りになっているから。

右ねじれのドリルが右回りで穴に入っていくから、切りくずが自然な流れでドリルの根本(シャンク部分)に向かって送られるんやね。それで穴の外に出ていく、と。ふむふむ。

え、じゃぁ左ネジレは?

左ネジレでも、取り付ける機械は右回り仕様やから、回転は右回りみたい。
ねじれてる方向が逆回りやから… 切りくずが下に下に行く感じ?
削って、その切りくずが下に行ったら、切りくずで、穴が詰まってしまうやん?

調べてみると、左ネジレの工具は、元々あいてる穴に使うんやって。
やっぱり、切りくずは下に排出されるみたい。
すでに穴があいてたら詰まることないもんね。

切りくずが「上方向に行く」「下方向に行く」のイメージはこんな感じ

右ネジレ、左ネジレの見分け方

ただ、溝がどっち向きか… パッと見、よくわからん。。。
分かりやすく見分ける方法ないんかな。聞いてくるわ。   

聞いてきたで。

「切腹するつもりで、刃物を自分に向けた時、溝が右手方向に進んでたら『右ねじれ』、左方向に進んでたら『左ねじれ』」やって。
たとえが江戸!でもめっちゃ分かりやすい~

■ネジレの効用

さらに調べると、溝がねじねじやと、ぐるりと全方向に溝があるから、ドリルのたわむ方向が分散されるらしい。分散されるから片方だけにたわむことなく、大きくまがることがなくなるみたい。穴曲がりが防止される上に、穴曲がりによるドリルの折損が起きにくくなるって。

切りくずの排出効果と、穴曲がり防止。すごいな、ねじねじ溝。
最初に考えた人、偉いなぁ。

ねじねじがますますかわいく見えてきた。

ちなみに、今朝食べたツイストドーナツは左ネジレやったわ。
ドリル業界ではレアなタイプやで。

娘はチョココロネを食べてました。こっちはねじれてなかったよ。