その違い何なのシリーズ第3弾「超硬工具とハイス工具の違い」

1回で終了するかもと危ぶまれていた「その違い何なの?」シリーズ、
なんと今回で第3弾を迎えることができました~!素晴らしい~☆
今回は「超硬とハイスの違い」について、いろんな角度から比較してみたいと思います。
第3弾まできたらシリーズって言っても問題ないよね? …ね!
ちなみに、第1弾と第2弾はこちら!
第1弾:ドリルとバニシングドリルの違い
第2弾:リーマとバニシングリーマの違い
お時間あるときに一度のぞいてみてくださーい

それでは始めましょう、「超硬とハイスの違い」
母ちゃんが働いている(株)ソリッドツールは「超硬工具メーカー」なので、超硬製の工具を扱っています。
なので、超硬については勉強済み(ちょこっとだけ)→ 超硬って何ぞや

でもハイス工具のことはよく分かってないのよねー
ってことで、この機会に超硬工具とハイス工具の違いを勉強して、それぞれの特性を理解していきたいと思います!

超硬工具とハイス工具の違い

超硬工具とハイス工具、一番の違いはその「材質」。
超硬工具は「超硬合金」でできた工具で、その名の通り「超・硬い」がウリ。

超硬より硬いものは、この世にダイヤモンドしかない。
なので、超硬工具を製造するには、ダイヤモンドが入った砥石で加工するしかないねんて。

対して、ハイス工具は、ハイス鋼と言われるハイスピード鋼(High-Speed-Steel:ハイ・スピード・スチール)
が材料になってます。

ハイスって単語は何度も聞いたことあったけど、まさか「ハイ・スピード」の前3文字だとは思ってなかった…
スピードの「ス」で区切るなんて斬新。
ちなみに、日本語では「高速度工具鋼」。高速で加工できる工具に使う鋼ってことやね。

ではここから、超硬工具とハイス工具を比較していきましょう。

超硬とハイスの見分け方

超硬工具とハイス工具、材質が違うから色や重さが異なります。
超硬は銀色っぽい、暗めの金属色で、ずしっと重い。
それに対してハイス工具は、銀白色~灰色の金属色で、超硬に比べるととっても軽い。

かあちゃんが見たことあるハイス工具って、いつもコーティングされてるから、
ハイス工具そのものの色って見たことなかったなぁ… 超硬より少し明るい感じやね。

硬度・靭性・価格

続いては、見た目では分からない「硬度」と「靭性(粘り強さ)」さらには「価格」を比較してみました。
こんな感じ!

・硬度
硬度で言うと、超硬が圧倒的に硬い!
硬いから摩耗しにくくて。摩耗しにくいってことは、工具が長持ちする。
ハイス工具に比べると、超硬工具は工具寿命がものすごく長い!

・靭性
靭性(粘り強さ)で比較するとハイスに軍配が上がります。
靭性が高いと、割れにくく欠損しにくくなります。
超硬は硬くて摩耗しにくいけど、衝撃や振動に弱く、もろいんです…

人間だと、ハイスみたいに簡単に折れない(心)で粘り強い方がいいのかもしれないね~

・価格
超硬はとてもお高い。主成分のタングステンやコバルトがレアメタルで貴重やからね。
対してハイスは、鋼の中では「高い」価格帯らしいんだけど、超硬と比較すると「安い」になる。

今のところ、ハイスが優勢かも??
いやいや、工具は加工の精度が重要やで?

ということで、お次は加工精度や加工スピードについて比較してみます。

加工精度・仕上がり

超硬工具は精密な切削加工が可能で、精度が高い。加工面は滑らかで、
バリ(加工時に発生する出っ張りやトゲのこと)が出にくい。
それに対してハイス工具は、超硬に比べて硬度が低いため摩耗しやすい。
摩耗すると切れ味が悪くなって、引きちぎられるような切削になっちゃう。
結果として微小な凹凸(つまりバリ)ができてしまう。
超硬よりも加工精度は劣ります…

加工スピード

加工のスピードでも「硬さ」が影響するよ。

超硬は硬いから、回転数や送り速度を上げてもそれに耐えることができる!
加工スピードが上がると作業効率がめっちゃアップする。量産する時は特にね。

ハイスは、名前こそ「ハイ・スピード」やねんけど…
確かに鋼の中ではきっと高速加工に向いてるんやろうけど…
超硬には及ばないのよね。

おっ、ここにきて、ハイスより超硬が優勢になってきたぞ。

そういや、超硬工具もハイス工具も、どんな機械でも使えるんかな?

適した機械

超硬工具とハイス工具、「硬度」や「靭性」が違うから、適した機械はそれぞれ違うみたい。
超硬は硬いけど衝撃とか振動に弱いから、マシニングセンターみたいな、がっしりしてて振動がすくない、剛性の高い機械じゃないとあかんねんて。そうじゃないと工具がすぐにカケたり折れたりしてしまうって。

 

ハイス工具は粘りがあるから、衝撃に強くてカケにくい。だからボール盤って言われる比較的剛性が低い機械でも安心して使える。

 

工具の性質にあった機械で使うことが大事なんやね。


まとめ

ハイス工具は粘りがあってカケにくく、安く手に入る。
でも超硬工具に比べると加工速度、加工精度、工具寿命ともに劣る。
超硬工具は衝撃に弱く、カケやすい上、価格は高い。
でも硬いので高速加工が可能で、加工精度も良く、工具寿命も長い。

「初期費用を抑えたい、使う機械の剛性が低い」ならハイス工具だけど、
「高精度、高効率」を求めるなら超硬工具やね!

どっちの工具が優れてるとかじゃなくて、
「求められている精度」、「生産性」、「トータルコスト」などの要素を総合的に判断して、選ぶことが大切やね。

かあちゃんは「超硬工具メーカー」で働いてるから、
超硬工具を使ってもらえたら嬉しいなぁと思っちゃいますねぇ~

ソリッドツールでも「超硬とハイスの違い」について詳しく説明しています。
動画もあるのでぜひ一度ご視聴ください!
超硬工具のメリット(ハイスとの違い)

そしたら、
ハイス工具は「現場のベテラン職人」なんだって。
特徴:
地道にコツコツ成果を積む(→粘り強い)
どんな相手でも動じない(→機械の剛性が低くても使える)
洗練されてはいないが、柔軟な対応ができる(→加工精度は低いが靭性がある)
 「派手ではないが頼りになる。大まかなベテラン職人」

超硬工具は「即戦力のスーパー営業」だって。
特徴:
高速で成果を出す(→高速加工に強い)
パワフルでガンガン攻める(→高硬度で高能率)
打たれ弱いところもあるが、質の高い営業ができる(→衝撃に弱いが高精度な加工)
 「結果重視、スピード型。デリケートなエリート営業」

さすが、ChatGPT、的を射ている(ような気がする)

あ、そうそう、ソリッドツールのカタログ、無料でダウンロードできるねん。
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