PCD工具の代替品 アルミ加工でPCDと同等の切削能力!
前回、PCD工具(ダイヤモンド工具)について勉強しました。
復習すると、PCD工具はダイヤモンド焼結体を刃先にロウ付けした工具で、
耐摩耗性に優れてて、長期にわたり安定した精度で加工が可能な優れた工具のこと、でしたね~
(詳しくはこちらhttps://kouguya-iroha.com/what_is_pcd/)
そう、PCD工具って確かに性能はいいねんけど、お高いのよねぇ…
同じくらいの性能を維持しつつ、コスト抑えられへんもんかな…
PCD工具の代替品「コーティング付3枚刃ツイストドリル」!
なーんて考えてるそんなあなた!
オススメなのが「コーティング付3枚刃ツイストドリル」!
コーティング付きで、3枚刃で、ツイストしてるドリル!
これは超硬でできた工具なんだけど、
①ツイスト形状にして切り粉による溶着を防ぎつつ、工具自体の剛性を上げ、
②コーティングを施して耐摩耗性もプラスした、
PCD工具の切削能力に劣らない優れた工具なのです!
では詳しくみていきましょう~
まずはこんな感じの直溝2枚刃PCD付ドリルを
「3枚刃」の「ツイストドリル」にしてみる!
じゃん!
こんな感じ!
ツイストタイプにすると溶着や折損が防げる!
直溝タイプからツイストタイプにすると何がいいのかと言いますと…
切り粉の排出性がぐぐーんとアップ!
らせん状にぐるぐる回って、外に出ていきます。
3枚刃やから、切り粉の通り道である溝も3本!(溝の数え方、1本・2本でいいんか知らんけど)
切り粉がガンガン排出される~
切り粉の排出性がアップすると、切り粉が原因となる「溶着」が防げるし、
切り粉詰まりでドリルが折れちゃう「工具の折損」も防げる!
3枚刃にすると剛性アップ!
さらに、「2枚刃」から「3枚刃」に刃数を増やすことで…
芯が分厚くなる!
芯が厚くなると工具の剛性が上がるねん。絵にするとこんな感じ。
え?芯の大きさ、そんな大差ないやんって思った?
確かに、ぱっと見、そんなに違いなさそうやな。。。
ちょっと取り出して並べてみよ。
おぉ、こう見ると大きさの違いが分かる! …か?
いや、微妙な差にみえて、実は全然ちゃうねん。
芯って、工具の中をズドーンと1本通ってるから、ちょっとの厚みの違いでも工具の剛性ってとこでいうと全然変わってくるねん。
この厚みで工具の剛性が決まってくると言っても過言ではないくらい。
剛性が上がると切削中の振動が抑えられて加工が安定するから加工精度もだいぶ変わってくるで。
コーティングで耐摩耗性アップ!
PCDドリルって、耐摩耗性に優れてるってのが大きな特徴。
超硬ドリルでその耐摩耗性を実現するには!そう、コーティング!
DLCコーティング(Diamond-Like Carbon)っていう、硬度が高く、表面が滑らかなコーティングを施すことで、PCDドリルと同等の耐摩耗性が実現できる!
コーティングの名前にDiamon-like「ダイヤモンドのような」って入ってるように、
このコーティングしたら、ダイヤモンド工具(のように)になれちゃう優れもの。
このコーティング、何がダイヤモンドみたいなんかなぁって思って調べてみたら、
ダイヤモンドの結合構造を持つ膜を作るねんて。
しかも、成分の比率を変えることで、硬さも変えれるねんて。すごいな!DLC!
そんなこんなで、
ネジレタイプにしたり、刃数増やしたりして
①切りくずの排出性を上げる
②工具剛性上げる
さらにDLCコーティングして
③耐摩耗性を上げる
で、超硬工具がPCD工具と同等の能力を手に入れました!イエーイ!
で、結局のところ、PCD工具に比べてどのくらい安く買えるんでっしゃろ。
具体的な金額は工具の大きさによるけど、
PCD工具の30%くらいコストダウンできるみたいやで。
例えば1本50,000円のPCD工具やったら、超硬工具+コーティングで35,000円、みたいな。
お得ですやん!
今回の記事のまとめ
超硬工具でも、仕様を工夫しコーティングを施すことで、
コストを抑えつつ、PCD工具と同等の切削能力を持たせることができる!
物価高の昨今、工夫して支出を減らしたいもんです。。。(切実。。。)
あ、そうそう、ソリッドツールのカタログ、無料でダウンロードできるねん。
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